当院の診療内容(1)
2023/05/13
ミレーナで子宮内治療の方へ
1)ミレーナは子宮の中に挿入し、子宮の中で局所的に作用するお薬です。子宮内で持続的に5年間にわたり黄体ホルモンが放出されるシステムで、過多月経、月経困難症を治療する画期的な治療手段です。
2)本体はT字型で柔らかいプラスチックからできていて、子宮の中に入れると縦の部分から黄体ホルモンが放出され、子宮の内膜に作用します。黄体ホルモン(レボノルゲストレル)の子宮腔への放出速度は15μg/day、血清中濃度は290~360pg/mLと極めて微量で、5年間ほとんど不変です。
3)黄体ホルモンの作用で子宮の内膜(月経血のもと)は増えることができず、月経量は減少し、月経時の月経血排出作業(月経痛)も確実に楽になります。
4)挿入は月経直後が望ましく、充分な洗浄消毒の後に超音波検査で挿入の方向や深さを決めます。帝王切開、子宮筋腫核出術後等の方は子宮に穴を開ける(穿孔)危険性高くなりますが、慎重に注意深く行うことで今までのところ当院で穿孔はありません。装着は数分程度で、そのまま帰宅です。
5)約1ヶ月後で次の月経が終了後にミレーナの状況を超音波検査でチェックします。ミレーナが脱出して存在しないことがありますが、その場合は保険で約1万円ですが戻ってきません。脱出率はバイエル薬品資料では6.2%ですが、当院では2~3%程度です。
6)装着して3~6ヶ月は月経以外に少量の出血見ることがありますが、徐々に減ってきます。自分の周期で月経は来ますが、量は減って行き経過良好な方は目薬程度になります。痛みも平行して楽になります。
7)副作用として、ミレーナの脱出、子宮内感染、穿孔などがあります。子宮筋腫、子宮腺筋症などが有り、進行増大している場合は、ミレーナがどんどん奥に入り抜去困難になることもあります。そのため子宮筋腫や子宮腺筋症がある場合は半年ごとに超音波検査が必要です。子宮中心部に筋腫がある粘膜下子宮筋腫の場合はミレーナやめた方がいいです。
8)ピルが飲めない方(閃輝暗転を伴う片頭痛、血栓症疑い、スモーカーなど)、内服が面倒な方には、5年間何もしなくて良いので最適です。もともとは避妊用で発売され、月経痛緩和などの副効用が認められ保険適用となった経緯があります。違和感もなく患者さんの満足度が高い治療法ですので、困っている方はぜひ相談して下さい。
2023/05/10
緊急避妊薬を内服の方へ
1)緊急避妊薬とは、確実に避妊できなかった性交渉から72時間以内に以内に内服することで、妊娠を避けるお薬です。当院ではレボノルゲストレル錠7,000円(税別)です。
2)妊娠阻止率は24時間以内内服で95%、48時間で85%、72時間で58%で、できるだけ早く内服した方がよろしいです。
3)排卵させない、排卵を遅らせる、精子の侵入を防ぐ、子宮の内膜に作用して生理を引き起こす等が作用機序です。したがって次の生理が来るまで原則は性交渉なしです。あった場合は再購入再内服が必要です。
4)遅くとも3週間以内には生理が起こり、3週間経っても生理なければ妊娠の可能性大きく、必ず医師に相談して下さい。レボノルゲストレル錠は胎児に悪影響を与えないと考えられています。
5)軽い吐き気、腹痛、頭痛、倦怠感などが見られることありますが、2時間以内に吐いたときはもう一度再購入して内服して下さい。
6)低用量ピルと違い、授乳中の方でも24時間授乳ストップすれば内服可能、タバコ吸う方も内服可能です。レボノルゲストレル過敏症、妊婦、肝、心、腎疾患のある方は不可です。ホルモンバランスに影響を与えることはありません。
7)初診では、最後の生理が始まった日、生理の周期、性交渉の日時、すでに妊娠が進行している可能性があるかなどを教えて下さい。
8)繰り返す方は、informationの低用量ピル(自費)を内服中の方へを参考にして下さい。
2023/05/07
低用量ピル(自費)を内服の方へ
1)避妊が目的です。効果は100%ではないことに注意が必要です。妊娠(失敗)率は0.29%です。
2)副効用として、生理痛緩和、生理量減少が期待できます。
3)1年に1回の子宮頸がん検診、超音波検査がおすすめです。
4)子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、卵巣腫瘍のある方は3~6ヶ月に1回超音波検査が望ましいです。
5)くれぐれも血栓症やエコノミー症候群にならぬように、ふくらはぎのマッサージや適度な水分摂取を心がけて下さい。
6)内服開始後2~3ヶ月は、軽度の吐き気、便秘、頭痛、不正出血や乳房のはりがあります。症状が重い場合には中止して相談して下さい。
7)当院ではトリキュラー28、マーベロン21処方可能です。(いずれも2,500円税別)
2023/05/07
低用量ピル(保険薬)を内服の方へ
1)生理痛、生理出血量の過多、月経前の不調、子宮内膜症や子宮腺筋症が悪くならないようにするのが目的です。
2)生活の質が改善します。
3)1年に1回の子宮頸がん検診、超音波検査がおすすめです。
4)子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、卵巣腫瘍のある方は3~6ヶ月に1回超音波検査が望ましいです。
5)くれぐれも血栓症やエコノミー症候群にならぬように、ふくらはぎのマッサージや適度な水分摂取を心がけて下さい。
6)内服開始後2~3ヶ月は、軽度の吐き気、便秘、頭痛、不正出血や乳房のはりがあります。症状が重い場合には中止して相談して下さい。
7)今までの毎月生理をおこすピルよりも、最長120日間生理なしのピルが効果があり主流となってきています(ガイドライン)。
8) 不妊症になる子宮内膜症などの病気予防も期待できるので、妊活の直前までおすすめです。
9) 当院で処方可能な低用量ピル(保険薬)は、ヤーズフレックス、ヤーズ、ドロエチ、ルナベルULD、ルナベルLD、フリウェルULD、フリウェルLD、ジェミーナです。