骨粗しょう症検査

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エストロゲン低下した方は、個人差はありますが、等しく骨密度が低下しますので、骨密度測定は大切です。骨粗しょう症になると寝たきりになる確率が高くなり健康寿命が短くなります。

 

当院の骨密度測定器は、踵(かかと)に超音波をあてて骨強度を調べるALOKA社製AOS-100SAです。本装置は厚生労働省の「老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル」で 骨粗鬆症の測定法のガイドラインとして認定された装置です。

 

超音波による骨評価は、踵骨に超音波を当てて、その通過する様子から骨の強さを調べます(音波的骨評価値)。DXA 法とは違いX 線を使用しないため、放射線被曝がないのが最大の特徴です。また、超音波による診断のため若年者や妊産婦の測定も可能、測定時間が2 分以下と短いため患者さんの負担が軽く、水を使用しない乾式で検査が行えるので衛生的で簡便です。

 

この検査で最も大切な数値は、YAM(Young Adult Mean若年成人平均)値です。20~44才までの健康女性の骨密度を100%として、現在の自分の骨密度が何%であるかを比較した数値です。骨代謝学会では、YAM70%未満は骨粗しょう症、YAM70~79%は骨量減少症、YAM80%以上を正常としています。

 

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骨は造る細胞(骨芽細胞)と壊す細胞(破骨細胞)の「造る壊す」のバランスの上に成り立っています。エストロゲンは破骨細胞の働きを押さえ込む働きをしています。更年期になりエストロゲンが低下すると破骨細胞が増えてしまい、上の図のように壊す働きが上回り骨粗しょう症となります。そのとき骨芽細胞も負けじと増えるので、「造る壊す」の骨回転は高回転となります。更年期は高回転型の骨粗しょうが特徴的です。
当院では破骨細胞の働きを血中TRACP-5bや尿中NTx、骨芽細胞の働きを血中BAPなどで測定しています(高回転が確認できます)。同時にカルシウム、リン、インタクトPTHを調べることもあります。