当院の診療内容(2)

2023-05-24 17:01:00

尿失禁、頻尿の方へ

トイレが近い、尿が漏れるなどで仕事や生活に支障を感じている方は意外と多いです。

糖尿病などの多尿となる病気、骨盤内腫瘍など膀胱機能を障害する病気、膀胱炎、内服中の薬の影響などを見落とさないようにします。

次は尿漏れについて、くしゃみや重いものを持ったときになる腹圧性尿失禁なのか、尿意を感じた後トイレまで持たない切迫性尿失禁なのかを見極めますが、実際は混合していることもよくあります。

腹圧性は薬が効きにくく、まずは骨盤底筋体操ですが、だめなら尿道周囲の組織にグルッと糸をかけて緩んだ尿道を締める手術療法を考えます。切迫性はある程度お薬が奏効します。

 

1) トビエース、ステーブラ

膀胱は交感神経と副交感神経の支配を受けています。副交感神経が交感神経よりも強すぎると頻尿や切迫性尿失禁になります。ベシケア、ステーブラは強すぎる副交感神経を抑制して交感神経とバランスとり、膀胱を安定させます。副交感神経抑制により、便秘、口渇、一部の緑内障悪化で眼圧上昇などの副作用があります。トビエースは11錠で24時間効かせたいとき、ステーブラは本来12回内服ですが朝1回内服で昼トイレに行かないようにするとか夜1回内服し夜間尿を避けるなどの応用できます。昼に着物着る時だけ朝ステーブラ頓用する方もいます。

 

2ネオキシテープ

トビエース、ステーブラト同じ仲間ですが、腹部に24時間貼る貼付剤です。これ以上内服薬を増やしたくない方に適しています。貼り薬が得意な久光製薬さんの貼付剤なのでかぶれは少ないです。

 

3ベタニス ベオーバ

切迫性尿失禁で強すぎる副交感神経に対し交感神経を強くして両者のバランスをとる薬です。β3アドレナリン受容体作動薬です。心拍数増加、血圧上昇などが注意です。トビエース、ステーブラに比較すると便秘、口渇、眼圧上昇などの副作用は軽いです。

 

4スピロペント

腹圧性尿失禁に適応ある唯一の保険薬です。β2アドレナリン受容体作動薬です。有効であった経験は少なく、手術療法が有効です。もともとは気管支拡張剤で喘息などの咳を止めるためのものです。副作用は動悸、振戦、低カリウム、糖尿病の悪化などです。

 

5八味地黄丸、清心蓮子飲 

切迫性尿失禁に有効な方もいらっしゃいます。西洋薬の前にまず、という時は八味地黄丸、清心蓮子飲を試します。清心蓮子飲はやや膀胱炎に近い時に選択します。

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