当院の診療内容(1)
2024/04/01
ワクチン接種の方へ
1)子宮頸がんワクチン(シルガード9)筋注 30800円税込×3回
9価HPVワクチンの予約は1週間前までにお願いいたします。
子宮頸がんは性交渉により感染するHuman Papiloma Virus(HPV)が原因となる癌です。30歳代40歳代に発症ピークを持つ若い方の癌で日本では年間約10000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2900人が命を落としています。性交渉ない方は子宮頸がんにならず性交渉の前にHPVワクチンを打てると予防になります。シルガード9はHPVの6/11/16/18/31/33/45/52/58型の感染を予防できます。1回目の接種を15才になるまでに受ける場合は6ヶ月開けて2回接種、1回目の接種を15才になってから受ける場合は1回目から2ヶ月後と6ヶ月後の計3回の接種となります。15歳未満は効率よく抗体価高くなるため2回の接種で良いとされ、相対的に副反応も少なく接種のいいチャンスです。
誕生日が1997年4月2日以降の方はキャチアップ接種として全額無料で受けられる可能性ありますので確認して下さい。意外なほど知られていませんが3回とも無料なのは事実上2024年の9月までですので注意が必要です。キャチアップ接種対象者9学年合計450万人が全員接種したと仮定すると、ワクチン有効率、子宮頸がん死亡率考慮し計算すると、約12000人の方が死亡せずにすむという計算になるそうです。ワクチンと無関係な「有害事象」が強調されますが、ワクチンと関係ある「副反応」はコロナワクチンよりはるかに安全です。副反応出たときには専門機関で対応するシステムもここ10年で構築され、たらい回しということはなく医療側の考え方もずいぶん変わりました。オーストラリア、カナダ、イギリスでは男子女子が学校で並んで接種するため、摂取率が80%越えるそうです。20年後にはこれらの国から撲滅宣言が出るそうです。日本でも10年前に積極的に接種した1994年から1997年生まれは70から80%の摂取率でこの学年はHPV感染が少ないというデータがすでに出ています。日本もできるはずです。
小学校6年から高校1年相当が約90%の予防効果で最も有効ですが、すでにHPV感染している可能性あるものの将来の感染を予防するという点で26才まで推奨され、よく理解し希望があれば45才までの女性にも接種するとさてれます(産婦人科学会ガイドライン)。日本男子は9価ワクチンはまだ認可されず、ようやく4価ワクチンが任意自費で打てるようになりました。熊谷市、品川区では男子にも公費援助が開始されるようです。
必要な方へこれらの情報が早く届くといいと思います。
2)帯状疱疹ワクチン(シングリックス)筋注 24200円税込×2回
帯状疱疹はほとんどの場合子供の時にかかる水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。水ぼうそうが治った後もウイルスは体内に90%の方で潜伏します。年齢により免疫力が低下し50歳ころより発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれております。帯状疱疹は神経節に沿った部位に帯状に赤い発疹が出現しバルトレックスなど有効ですが、発疹消失後も3か月以上痛みなどの神経症状が残ることがあります。
目や耳に発症すると、めまいや耳鳴り、重症化すると視力低下、顔面神経麻痺、髄膜炎や脳炎など後遺症が残る可能性もあります。
シングリックス筋注は50歳以上が対象の帯状疱疹を予防するためのワクチンです(2023年6月26日より50歳以下でも免疫機能低下の可能性ある人、または医師が必要と認めた者へと適応が拡大されました)。帯状疱疹を予防する効果は50歳以上で97%、70歳以上で90%です。筋肉内に注射し、2か月をあけて2回の接種が必要です。2回目は遅くとも6か月後までに接種する必要があります。接種後30分は院内で様子を見させていただきます。
3)肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)筋注または皮下注 8800円税込 公費の方は4600円税込
肺炎球菌は主に気道の分泌物に含まれる細菌で、唾液などを通じて飛沫感染し、気管支炎や肺炎、敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。肺炎球菌ワクチンを接種することで肺炎、発熱、呼吸困難、敗血症、髄膜炎の予防効果が期待できます。肺炎は我が国の死亡原因の第5位となっています。また、日常的に生じる成人の肺炎のうち1/4~1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。
5年間有効で、2回目以降の接種は自費です。呼吸器系が弱い方はぜひご検討下さい。
4)インフルエンザ、コロナワクチン
令和6年度さいたま市インフルエンザおよびコロナワクチン定期予防接種を実施しております。両者とも令和6年10月1日より令和7年1月31日までです。対象は接種時点でさいたま市に住民登録があり65才以上の方です。個人負担金はインフルエンザ1,600円(税込)、新型コロナワクチン(ファイザー社製)3,200円(税込)です。接種回数はそれぞれ1回で、同時接種も可能です。
上記公費負担に該当せず自費で通常の接種を受ける場合には、インフルエンザ4,400円(税込)、新型コロナワクチン(ファイザー社製)16,500円(税込)となります。接種回数はそれぞれ1回で、同時接種も可能です。